◇ 今までの勉強
経験からの効率(確定の効率)
形勢判断……部分的確定の合計。
(既知なる部分的評価が重視)
相手の欠点を攻める(咎める)ことで利益を得る。
結果(確定認識の世界)
確定意識によって、着手評価が選択されるこのため、効率はすべて確定という限定的な評価で意識され認識されることになる。
- 勝敗の確定
- 生きの確定
- 地の確定
- 連結の確定
- 必然の理由
- 連続の理由
- 一手の価値評価、、序盤の価値ほど大きい(重視)
理由 一手で囲える地の大きさ(確定地)の減少 - 攻めることが、最大効率への要件と捉える
↓
- 加算効率ゲームの意識
- 悪手と最善手の定義
- 悪手……損する手(石が取られる)
石が取られる - 最善手…もっとも部分確定の大きい手
自分から確定の大きい手を見つけ選ぶ。
- 悪手……損する手(石が取られる)
- 評価の検証
読みによって確定を予想し、比較する。
◇ 21世紀の勉強評価
理論からの効率(可能性の効率)
形勢判断.. 相手の構想に対して、阻止できる大きさ
(将来的な選択の多さで評価)
理論から見つかった効率は、可能性の温存料
(構想の自由度)によって自分の効率が高くなる。
制約の効率になる=可能性の温存効率。
- 目的達成効差の法則。
- 複数の同時戦いの法則(絡み攻め)
- 自然確定の効率(自然鑑定、人為確定)
- 見合いの選択を重視
- 形の平等…場所の優先効率は無視する。(大場より急場)
- 手抜きの法則(大場への先行..選択の自由度が上がる)
制約の排除(弱いは捨てる) - 一手の価値は微小である。(評価しない)
- 相手に攻めさせることで、守りの最大効率を高める。
相手に攻めせる制約が、効率の要件である。
↓
- 減算ゲームの法則
- 悪手と最善手の定義
- 悪手……. 確定を進行させる手
可能性を減らす手 - 最善手… 確定を遅らせる手
可能性を減らす手
- 悪手……. 確定を進行させる手
- 評価の検証
確定の検証より、可能性の多さを比較する。
12 形勢判断の価値
- 勝つための、構想選択の評価値である。
- 最善手の探索評価ではない。
(最善手の意味がわかっていない。) - 勝負手のための選択指標として活用している。
基本的な、可能性という形勢判断の指標がないため、その代用として「勝敗の確定値」により形勢判断を採用しているが、ほとんど場合、
- 形勢が不利になった場合の勝負手の判断
- 勝負手そのものが、相手のミスを誘う。
という意識で打たれている。このためミスを過度に意識したものになっている。
13 捨て石に関する評価
一手の確定価値としての大きさ。
2目で捨てても、先手で得する。
相手のミスによっては逃げる手を考えている。
@ 相手と自分との確定地の損得でとらえている。
14 攻めの認識
- 自分から攻めること(確定)が有利である考える。
- 攻めることでの部分的な確定(損得)を重視する。
- 攻めながら地を増やすことが最善と考えている。
- 攻められると形勢が悪くなると思っている。
15 形勢判断の価値
- 部分確定の確認タイミング条件である。
- 盤上全体として自然確定評価の指標である。
- 勝負手として選択タイミング指標として重視しない。
- 全体の最善手を見つけ、勝敗確定への手順(自然確定)の検証指標となる。
- 勝負手としては、ほとんど重視していない。
16 捨て石に関する評価
全局的な構想の自由度が有利になる。
自分の制約を解除し、相手の制約として転換する。
相手がミスしても、逃げる手は考えない。
- 相手の制約付与 囲わせる。取らせる。
生き難くする。囲い難くする - 自分の制約解除 生きる。逃げる。守る。
振り変わる。対応の自由度を上げる - 相手への構想打診.. 変化を減らし、確定させる。
17 攻めの認識(効率と評価)
- ゆっくりとした攻めのみ重視を置く。(確定は悪手)
- 自分の構想確定を遅らせることを目的とする。
- 次の狙いの有無の可能性の温存を重視する
- 相手に「攻めさせ守りの効果高め」自然確定する
18 守りの意識(確定の評価)
今まで教育や教えによって、守ることは
- 劣勢になると思っている
- 損失を防ぐ必然の手段である
と思っている人が数多くいます。そして手抜きすると、
- 相手に連打されると、形勢が悪くなる
と一般的に思われています。
この「間違った認識や意識」は、「構想と着手効率」の認識間違いから生まれており、その活用と対応タイミングの遅さに原因があります。
構想では、選択の自由性を追求するため、「制約状態からの解除と予防」が最優先されるのですが、間違った対局意識によって、ほぼ確定した状態として序盤から自ら打つ(悪手を打つ)ため、守りの手が悪手になる状態になっていることに気づいていません。つまり、布石段階での戦いの初期から、守ることで効率がよくなる工夫と価値観が欠如しているのです。
19 守りの認識(確定の評価)
2つ以上の手が選択可能である場合、自分から選択を決定する人為確定を選択するのは、すべて悪手であるといえます。逆に人為確定の手であっても「相手に選択を強いる手として打たれた場合は、最善手になります。なぜなら相手への対応によって自分の次の手に必然が発生し、全局的には、もっとも自然確定の高い手になるからです。
つまり、対局意識として、
相手に攻めせて守りの効率高める
ことが効率の基本であり、原点となっているからです。制約における効率とは、相手に「攻めさせて得る守りの効率」を構想として工夫することになります。この守りの効率では、「準備された、相手への構想の強制」として「さばき、捨て石、振り変わり」の読みと準備の戦いが主テーマになります。
このため、「攻める意識」の理解においても、急激な確定を求める攻めの意識は悪手になり、「自然確定で守る」ということから大きく離反することになります。つまり攻める場合の絶対条件は、もっとも緩やかな「自然確定の「守り効率」を高める道具(手段)であるという認識になります。
20 上達についての考え方
勝ちたい、強くなりたいという思いが強い人ほど、数多くの本を読み、覚える勉強が得意であるといえます。具体的な学習方法としては、
- 多くの知識を覚えることが、必要不可欠である。
- 知っている知識をいかに活用できるか。
- 名人の打ち方を覚え真似る。
これらによって、上達できると考えています。
実は、学習し覚える勉強の対局能力と(棋力)とは、自分の覚えた知識の活用であり、勝ちたいという勝負へのこだわりから生まれています。プラス面としては、
- 確定に関するミスへの集中力。
- 相手のミスを咎める能力。
- 部分的な読みの正確さ
が発達し、実戦において力を発揮するのですが、欠点としては
- 序盤の大局観が乏しい。
- 序盤の着手評価に関する意味が完全理解に至らない。
- 中央の厚みに関係する戦いを正しく評価できない。
とう傾向があり、最善手についての認識では、
- 自分から打てる手として最善手が存在する。
- 多くの知識から、最善手への閃きが生まれる
と信じて勉強しており、対局にける重要な学習訓練とは、
- 確定のための読みと検証能力を高めること。
として考えています。このため、布石の勉強では、自分より強い人の布石研究を真似ることから、自己の感性を高める努力を行っていると言えます。
21 上達についての考え方
理論学習は、囲碁の勉強においてどれほど重要ではあっても、極めて概念的、抽象的であることから、一般的な囲碁の勉強をする人には、非常に理解されに難くく、敬遠される傾向があります。
その理解には大きなハードルがあり、基本的な価値概念として、「勝敗の確定」に代表される「確定概念」をプラス化(最善への追求)ではなく、マイナス(悪手)として理解する必要があります。そして、さらに新たな価値として「可能性の大きさ」という「確率的な優位性」を最優先に置き換える必要があるのです。
「可能性の大きさ」の理解は、変化図としてイメージ化が非常に困難であり、完全検証することを不可能にしています。このため、実戦でどのように活用すべきかの具体的指示ができないのです。ただ、対局意識として、論理的にわかっていることは、
- 相手構想に対する阻止効率
- 可能性の保持量
- 一手ごとの調整能力
- 自然収束(自然確定)として確定手数
が最大となる手であり。着手的な表現としては、「打った石を絶対に重くなってはならない。いつも捨てられる状態にする」ことが必須であり、手抜きによって相手が連打した場合、「捨てられるか、次の狙いがあるか」という、「連続の可能性の有無」を最優先に追求した意識によって、読みと検証によって行うことになります。
22 読みの検証と構想(確定利益の価値)
確定利益を追求した構想での読みでは、
変化しない確定利益を想定し、
- 部分的に損をしない。
状態になるまでの想定をおこなっています。それは
- 打った石は取られない
ことを前提にしており、また囲った勢力地は減らされない読みとして構想を立てていることになります。これは、着手の価値そののものを限定した確定状態での価値として捉えているため、相手の手抜き構想や捨て石の構想によって見損じが生まれ、構想そのものの読み方や価値が、空間活用としての純粋理論の効率からみると異質であり、構想そのものの価値によって、確定を優先するという「悪手」の読みになっています。
つまり、目的達成の方向性そのものが、交互に打つ価値から離反したものになっているのです。なぜこのような違った読みが、正しい読みのように思われたかの理由は、確定によって始めて、地としての価値の大きさが評価できると思ってしまうからです。つまり、評価値そのものの想定ミスであるといえるのです。また初級から高段者までの問題練習において、詰碁や死活など状態確定を前提とした問題を解くことによって、手順の連続性を訓練したことも、その意識を植え付ける結果になっています。
23 読み検証と構想(可能性の価値)
可能性を追求した未来想定の読み(次の狙いを中心とした構想)と、部分的な確定状態を想定する価値比較の読みとは、効率に関する考え方や価値観が大きく違い、正反対の効率の価値観になります。
部分的な損得として確定価値の比較は考慮せず、連続した可能性の追求、次の狙いへの読み追求は、構想の自由度を優先した意識であるといえます。この価値観の意識によって
- 手抜きできるか
- 連続して打てるか
の読み(判断)が同時に行われることなり、さらに手抜きによって相手から攻めから生まれる必然事象、
- 自由にさばく(捨てる)ことができるか、
- 振り変わることができるか
を中心とした読みの検証を行っています。
これらは、格言での「石音の反対に打つ」ことを意味し、碁の争いが、空間価値の阻止、また捨て石の活用であることを意味しています。
24 確定の優先
次の狙いを最優先としないため、「今すぐ打つ必要のない手かどうかの判断をせずに打つ」といいう悪い癖がつくことになります。また変化の多い手は、対応すべき読みにおいて予測不能な部分が多く、その不安解消したい思いから、確定する手を優先することになります。さらに攻めを急ぐことで、弱い石を殺そう、また取ろういう間違った選択が多くなります。さらに「必然の手」を優先し過ぎるために、確定の連続した構想の読みをしようとし、この悪手の構想意識が、次の狙いの可能性を大きく減らすこ原因になります。これらの間違いの根本は、効率という基本的な価値観の認識間違いから生まれ、その間違いは、経験的な直観による教えにあるといえます。
25 碁はバランスのゲームではない。
過去の名人の多くは、「碁はバランスのゲームである」という言葉を好みますが、このバランスは石の強弱バランスではないのです。正しくいえば、弱い石を中心とした確定調整の知識であり、読みによる修正能力なのです。この能力を身につけるには、従来のからの
- 読みのスピード
- 部分的な確定手順の正確さ
- 弱い石の配置バランスの知識
が必要になりますが、その活用意識が全く異なっているのです。
その理由は、生きた状態などの厚み(強い石)にする確定は、次の可能性として狙いを消滅させ、縮小するため、碁盤全体の変化数そのものが一気に減少することになります。
またこのような効率の悪い事象が起こっていることさえ、気づけない対局勉強であるため、その棋力や新しい発見が起こることありません。