囲碁上達の楽しみ
囲碁における趣味として楽しみ(喜び)には
A) 囲碁のルール(入門)
- 囲碁のルールがわかる。
- 勝敗や終局についてわかる。
- 石が取れることがわかる。
B) 囲碁パズルの問題が解ける(初級)
- 手筋などの問題が解ける。
- 死活や詰碁の問題が解ける。
- 攻め合いの手順がわかる。
C) 対局で楽しむ(中級)
- 自分の石が取られなくなる。
- 自由に手抜きできるようになる。
- 相手がミスした時に、その石が取れる。
- 相手に手抜きさせないよう打てる。
- 自由に構想できるようになる。
- 戦いの流れが予測できるようになる。
- 形勢判断ができるようになる。
D) 理論を知って楽しむ(上級)
- ゲームの本質がわかる。
- 攻めるとう手の意味がわかる。
- 先手後手がわかる。
- 布石、ヨセなどの打ち方の意味がわかる。
- 悪手と最善手の意味がわかる。
- 制約するという手の意味がわかる。
E) 見て楽しむ
- 高段者やプロの打ついい手、悪手の意味がわかる。
- 最大争点の場所がわかる。
- からみ攻めやもたれ攻めがわかる。
- 石を捨てる効率がわかる
- 相手に地を囲わせる構想がわかる。
- 戦いの結果は
手入れした場合は「生き生きの状態」
手入れできない場合は「振り替わり」になる
これが、必然で正しい進行であることがわかる。.
◆ 碁のルールと着手ミスを減らす練習行為
碁のルールは、相手の石が取れる条件があるのではなく、絶対に取られないルール条件によってゲームが成立しています。このため、対局するには、石を取る技術が必要ではなく、自分の打った石が着手ミスで「取られないように打つ技術が必要になります。
しかしながら、入門初級者の多くは、
- 手を抜く
- 受ける手を間違える
- 逃げられない石を逃げる
など、この石の取り取られに関係した「着手ミス」が多く、勝負もほとんどがこの着手ミスで決まるため、自分の打った石が取られないために相手の石を取る練習をしています。つまり、手抜きできるかどうかの判断能力を養っています。
◆ 石が取られなくなると勉強が変わる
自分の着手ミスで、自分の打った石が取られなくなると、碁の考え方や着手効率の概念が大きく変わることになります。自分の石が取られなくなることは、相手の石も取られないことに気づくからです。
しかし、石が取る技術が棋力に影響しないかというと、そうではありません。上達すればするほど、取れないばずの石を取る能力が影響することになります。この意味は、高段者やプロであっても、相手がミスをしたときに、相手の石を取る能力は、もっとも重要な能力であることに変わりがないのです。
◆ 取るから制約へ
碁のゲームの本質からは、直接石を取ることができないため、取るという能力や動作は、地の効率を高める力に変換され、その効率が発揮されることになります。
それは取るではなく、相手の地を囲い難くさせる、相手の石を生き難くさせる効率に変わることになります。
◆ 地の効率への能力変換
石を取る能力が、どうして地を生成する能力に変わるのかいうと、戦いによって取られると負けるという事象が生まれると、取られないために逃げるという必然の動作(石の流れ)が生まれ、この流れを積極的に利用し、相手を逃げさせることで自分にとって効率のよい地が生まれることになるのです。これが「地になる」という事象です。
ここで「地を囲う」という言葉ではなく「地になる」という言葉をあえて使用するのは、戦いの本質は、「直接地を囲う」効率を争っているのではなく、生きるという制約によって生じる。強制的に「未確定な空間が確定地に変化させる行為」をいうからです。
勝敗は、こうして生まれた確定地の総量を「地の大きさ」として比較し、この「地の大きさ」の量を競っています。
つまり、戦いの本質とは、石を取る力を「地の生成」に変換する能力を争っているのです。そしてこの戦いの能力が棋力になるのです。