囲碁のゲームとして着手効率差は、打たれた周囲の手の内側(相手と接する方向)ではなく、その評価は外側で決定される。
5段以下と6段以上の対局との大きな違いは、どのように自由に打っても、無条件に石が取られなくなり、この結果、部分的な戦いの優劣によって形勢差が生まれるのではなく、全局的な構想の戦いによる効率差によって生まれ、それが棋力差により顕在化するからです。
つまり、部分的な戦いの正しさや是非ではなく
- 全局的な価値とは何かを認識すること
- 構想の戦いが戦いの中心になること
この2つの意識と知識が、大きな差になり違いになるのです。そして、戦いの目的や認識、意識が大きく変化することになるのです。この変化によって、6段以降でも無限に上達できる可能性が生まれるのです。この意識変化がない人は、それ以降の上達はかなり困難になり上達の限界が生じることになります。
意識変化が必要になる理由は
- 戦いが、複数同時進行で展開される
- 目的達成の法則が、着手効率の基本になる。
- 見合い条件の組み合わせが、効率になる。
- 中央の戦いの優劣によって、勝負が決定する。
- 先手、利き筋の多さが形勢に影響する。
- 最善手や悪手に関する意識が強くなる。
- 部分的には、形や筋を重視した戦いになる。
- 10目以上もの捨て石活用が可能になる。
などがあります。
6段以上の学習課題
「構想について」
- 相手への構想打診を優先する。
- 自分の構想実現より、相手の構想阻止を優先する。
- 相手を動かして打つ。(構想を重くする)
- 相手に攻めさせて守る。
- 中央の厚みは、「次の狙い」を想定する。
- 生きていない弱い石を中心に動く。
- 外回りに打つ(空間「可能性」の広い手)
- 振り変わりを予測した見合いの選択(先手重視)
- 石を捨てる構想を重視する(制約の解除)
「確定について」
- 人為確定を避ける。(自然確定を重視する)
- 確定する手は打たない。(変化、可能性重視)
- 自分の地を囲うとせず、相手の地を減らす。
- 相手を制約する。(生き難くする、地を囲い難くする)
「戦いの条件」
- 戦いは生きの確定と次の狙いを重視する。(戦いの連続を意識する)
- 相手に攻めさせて守る。
- 生き生きの別れを基本にする。「セキ」または「振り変わり」
- 攻めの見合いの筋を残す。
- 次の狙いの多い手を優先する。
- 悪手を打たないようにする。
- 最善手になるように絞り込む。
「戦略について」
- 取るより、石を取らせる。(捨てる)
- 地を囲うより、相手に囲わせる。
- 部分利益より手抜きで大場を優先する。
- 有利な戦いではなく、不利にならない戦いする
「可能性について」(制約)
- 生きた石(最強)から最も離れる。
- 次の狙いの無い手は打たない。
- 守り手や、守りの見合いの手は打たない。
- 生きるだけ、守るだけの手は打たない。
5段以下の学習課題
<意識>
- 相手がミスをしないのに咎めようとする。
- 自分からミスの手を打つ。
- 最善手を見つけようとする。
- 石が取られることを恐れる。
<意識がない>
- 石が捨てられるという用心がない。
- 次の狙いの場所がわからない。
- 打ち過ぎや手戻しになることがわからない。
<する>
- 取れない石を取ろうとする。
- 大きく、地を囲うとする。
- 1目でも地の多い手を打とうとする。
- 自分の弱い石を逃げようとする。
- 効率の悪いインサイドに打っても平気である。
<打ち過ぎ>
- 相手の弱い石を攻めようとする。
- その局面での最善手やいい手を打とうとする。
- 1目でも多く勝とうとする。
- 勝ちたいという思いが強い。
<わからない>
- 負けた原因がわからない。
- 自分の悪い癖に気づけない。
- 自分の弱い石がわからない。
- 形勢判断の方法を知らない。
- 構想という意味がわらない。
<できない>
- 形勢判断ができない。
- 自分の石を捨てることができない。
- 打診や様子見の手が打てない。
- 見合いの手が打てない。
- 相手の攻めに、正しく受けることができない。
<知らない>
- 石が重くなると不利であることを知らない。
- 悪手であることを知らない。
- 「利き筋」や「利かし」がわからない。
- 先手後手がわからない。
- 形や筋がわからない。