1. 7つの意識レベルと20の対局意識
棋力アップには、第1ステージから第7ステージへと、対局意識を変えながら、対局することで可能になります。第七レベル(碁の本質)が最高になり、第6、第5レベルが布石から中盤の構想になります。第4レベル以下は、中盤以降の接近戦での戦いの意識でになります。
第7ステージ(悟りの仏界) 戦いの本質
バランスのいい石の配置が、構想の戦いであり、構想力の差が棋力差になる。
第6ステージ 戦う意識(菩薩界)
戦いは、互いに相手の自由着手を制約することであり、自分から攻めるのではなく、相手に攻めさせることにある。
第5ステージ 構想のための準備の戦い(縁覚界)
- 未来の戦いであり、可能性を重視し、形を決めない。
- 最善な石の配置になるよう、構想を修正する
- 次の狙いのある手を優勢する。
- 手抜きによって、大場先行を優先する。
- 相手に、必然手となる先手を与えない。
第4ステージ 効果のある戦略と戦術 (声聞界)
- カス石や弱いは、捨て相手に取らす。
- 相手の強い石は、より強く懲り形にする。
- 相手の悪手を、形を崩して咎める。
- 弱い石を攻めながら、自分の弱点を補強する。
- 形勢判断をし勝負手を打つ。
第3ステージ(人間界)
自分から部分的に不利な状況を「作らない」
- 悪手を打たない。
- 重い石を作らない。
- 効き筋を残す
- 相手から攻められる石を作らない。
- 相手の石を強くしない。
第2ステージ (修羅界)
目的達成スピードの3法則に気づく((取れない。囲えない。囲えない)ことで、戦いの構想と効率が芽生える
- 相手の地を囲いにくくする。
- 急所で手抜きしない。
- 自分の石を凝り形にしせない。
- 相手の石を取ろうとしない。
- 自分の地を囲うとしない。
第1ステージ (餓鬼界)
できないことをしようとする、間違った欲の世界。
- シチョウや下駄で石を取ろうする。
- 自分の地を囲うとする。
- 相手の石を殺そうする。
仏界
- 菩薩界
- 真理を追究する状態。自己の意思はともかく「行動」そのものを指すとされる。
- 声聞界
- 哲学・文学・物理学、さらには大衆娯楽や子供の戯言に至るまで「学ぶ」状態を指す。
- 縁覚界
- 真実に縁することで、自己の内面において自意識的な悟りに至った状態。
2. なぜ必要か、その理由
◆ 棋力差は構想力の差である
石を取る。逃げる、地を囲わせる。地を囲うなどの行為はすべて、構想実現の手段であり道具でしかありません。戦いの目的も、構想における人為確定の手段であり道具でしかありません。つまり、囲碁における棋力差や能力差はすべて、構想力の差から生まれています。
◆ 構想とは何か
構想とは、石を取る、攻める、制約などの手段によって、人為確定を引き起こし、配置された石の強弱バランスによって、地の生成効率を高める方法をいいます。この構想の(戦いの準備)においてもっとも重要な意識、知識が対局意識になります。
◆ 勝敗はなぜ決定するのか。
実戦での勝敗は、石の強弱バランスをや悪手を咎めることで、相手の大石を取ることで勝てたりします。また弱い石が生きなけれならない状態になると、地合い効率に差が生まれることになるのです。
◆ 勉強しても強くなれない理由とは
本をいくら勉強しても強くなれないのは、対局意識による構想力の強化をしないからです。
◆ 対局意識はどのように生まれたのか
対局意識は、囲碁における効率論(囲碁理論)から生まれています。このため対局意識と理論とは密接な関係があります。また、囲碁の効率理論は、ゲームルールの規制よって生まれています。
このため囲碁ルールと対局意識とは、正反対の関係になります。
◆ 相手構想の阻止によって、自分の構想を実現する。
囲碁での勝つための基本構想は、自分の構想実現ではなく、相手の構想阻止を手段として、自分の構想を実現することになります。この考え方が囲碁の着手効率の基本になります。
◆ 勝敗ルールと構想との関係
勝敗ルールから構想や着手効率を考えると、相手大石を取ると勝てる。また大きな地を囲うと勝てるになるのですが、ゲームの本質は、構想とは真逆のものになります。つまり、大きな地を囲わせない、相手の石を生きさせるなどの制約によって、相手の構想阻止が優先されて打たれていいます。
このことの理解は非常に困難であるといえます。つまり構想とは何かを知ることが非常に重要な勉強になります。