棋力アップの練習(1)

  1. 棋力アップの練習とは
  2. 有段者への読みの力

棋力アップの練習とは

棋力アップの練習は、棋力ごとに変化します。その違いを「読みの力」「構想力」「対局意識」の3つの視点から考えてみします。

@ 入門者の場合

◆ 読みの育成

入門者の読みの練習は、一手で取れる「アタリ」を学び、「アタリ」の石を見つけてことから始まります。アタリを取ることができるようになると、「シチョウ」、「ゲタ」によって、相手の石を取ることを学ぶことになります。

◆ 構想力の育成 (囲う)

入門者にとって構想力は必要ありません。ただし、着手効率として

  1. 地を囲うより石を取る効率がいい。
  2. 隅の方が、中央で地を囲うより効率がいい。
  3. 地の形として、正方形の方が長方形より効率がいい

という3つを理解することはできます。

◆ 対局意識 … 相手の石が取れると勝てるゲーム。

入門者の対局意識は。「相手の取れる石を見つける」「自分の石が取られないか注意する」ことが重要です。このことで、「アタリ」や「シチョウ」が一瞬で見つけられるようになります

A 初級者の場合

◆ 読みの育成

囲碁では、取れる石が取れないとなると、絶対勝つことは絶対にできません。このため読みの練習とは、相手の石を取る練習になります。この石を取る力は、棋力に正比例することになります。実戦石が確実に取れる場合は、「シチョウ」や「ゲタ」が例外的に成立するに限られています。そのため、この練習が中心になります。

相手の石を取るためには。取る準備として

  1. 逃げられないように、手数が伸びないようにする。
  2. 取られないように手順を長くする。
  3. 生きられないように眼を奪う。
  4. 殺されないように2眼を作る。

などが必要であり、これが「読みの力をつける練習」となります。

◆ 構想力の育成(戦術)

囲碁のルールでは、互いに交互に打つことが規定されています。このため石が取れる条件は、同じであることになります。にもかかわらず、上手と下手とでは、取る技術に差が生まれています。それは、打ち方によって手数が「伸びる場合」と「伸びない場合」があり、逃げる方向によって「最大手数の大きさ」に違いが生まれます。具体的には、中央の方向に逃げる場合は手数が伸び、辺に向かって追い込むと手数は伸びません。攻め合いの場合には、「内ダメ」と「外ダメ」の違いによってダメを詰める優先順序が変わることも重要な知識になります。また捨石を活用することで、相手の手数を短くするなどの方法もあります。これらの知識が、棋理としての法則にもなっています。

◆ 対局意識 … 大きな地が囲えると勝てるゲーム

初級者の対局意識でも、「相手の石を取る」「自分の石が取られないよう注意する」ことはもっとも重要ですが、地を囲う効率も考えるようになります。