付録 理論資料として

19 碁の法則一覧 実戦編

  1. 地を囲うゲーム
  2. 構想する
  3. 構想の自由度
  4. 戦いについて
  5. 読みについて
  6. 見合い
  7. 其の他
  8. 戦いのテクニック

ここでは、「定理」から「条件特性」まですべて同じ法則という名称で記述されています。ご了解の上ご覧ください。

【1】地を囲うゲーム

1.1 邪魔させない条件

法則111 大きな地は、効率はいいが邪魔されやすい。
法則112 地を囲うには、邪魔させない条件が必要である。
法則113 攻めるとは、相手から邪魔させない手段である。
法則114 制約条件が生まれるには、弱い石が存在する必要がある。

1.2 地を囲う

法則131 囲碁は、地を囲う効率を競うゲームである。
法則132 形勢判断の有利不利で、「囲う」「囲わせない」の選択が行なわれる。
法則133 地を囲うには、隅、辺、中央の「場所的な効率」がある。
法則134 地を囲うには、立体的な「形の効率」がある。
法則135 生きた石同士が接する共通ゾーンは、地の効率は悪い。
法則136 生きていない石の周囲は、相手の地になりやすい。

1.4 地を減らす

法則141 地を減らすための石は、取られてはいけない。
法則142 地を囲うより、地を減らす手の方が効率がよい。
法則143 地を減らす場合は、そのタイミングが重要である。
法則144 地を減らす手は、相手へ制約条件としてのハンディを与えることになる。
 

1.5 効率よく地を増やす

法則151 生きた石の周囲でなければ、確定地にならない。
法則152 地を増やしながら生きる手は、効率が良い。
法則153 相手の石を、攻めながら地を囲う手は、効率が良い。
法則154 一手で生きながら、増える確定地の最大は、6目程度である。

【2】構想する

2.1 特徴と基本条件

法則211 中盤の構想は、死活に関係した勢力争いにある。
法則212 構想の自由度が上がると、形勢が有利になる。
法則213 活きていない石の境界線が、戦いの場になる。
法則214 構想には、部分的な価値と全局的な価値がある。
法則215 部分的な価値は、利用空間の広さが基準になる。
法則216 全局的な価値は、石の強弱の配置関係に影響される。
法則217 構想は基本図や理想図の組み合わせによって構築される。

2.2 構想の戦略条件

法則221 形勢が有利な時は地を囲い、不利な時は戦いをしかける。
法則222 全局的な効率の方が、部分的な効率より優先される。
法則223 布石の構想は、理想図の知識から想定されている。
法則224 地の効率は、連続した着手によってあがる。
 

2.3 実現性を高める

法則231 実現性を高めるには、相手からの邪魔をさせない準備がいる。
法則232 構想の実現性を高めるには、反発させない制約条件がいる。
法則233 構想は、相手からの反発予想の的中度で実現性が決まる。
法則234 全局的な構想になるほど、必然性、連続性、関連性が高い。
法則235 構想は、次の戦いを想定した準備の手を考慮して打たれる。
法則236 構想のスピードを上げるには、捨て石が利用される。

2.4効率がいい

法則241 広い空間に、先着した方が地になりやすい。
法則242 攻め合いは、一手の違いが原則である。
法則243 有利な構想には、相手着手の制約が必要になる。
法則244 効率よく地を囲うには、必然的な着手が必要である。
法則245 必然手とは、得しない最大手を相手に与えることである。

2.5 局面の評価

法則251 石の厚みがあっても、攻める石がなければ、価値が下がる。
法則252 相手の反発を予測できれは、構想の自由度は上がる。
法則253 形勢は、互いの反発によって互角状態が維持される。
法則254 相手より手抜きできる回数が多ければ、自分の構想力が高い。
 

【3】 構想の自由度

3.1 形勢判断

法則311 形勢判断は、構想の自由度でも判断できる。  
法則312 先手があると、形勢が有利になる。
法則313 相手の手に対して反発できると、構想の自由度が高い。
法則314 囲い合いで勝てる場合は、形勢がよい。
法則315 相手の石を取っても勝てない場合は、形勢が非常に悪い。

3.2 評価

法則321 構想の自由度は、攻めるべき石の存在が評価に影響する。
法則322 構想の自由度は、石の強さの配置バランスが評価に影響する。
法則323 切断場所の多さによって、構想の自由度が変化する。

【4】 戦いついて

4.1 始まり

法則411 生きていない石の周囲の場所が、戦場になる。
法則412 戦いは、地の囲い合いの境界で生まれる。
法則413 戦いは、生きた石に繋がらせないことから生まれる。
 

4.2 効率と中断

法則421 戦いでの読みは、取られないことを前提に打たれている。
法則422 戦いでの攻め合いは、見合いになると効率があがる。
法則423 戦いでの優位性は、戦いが始まるまでの準備の差で決まる。
法則424 戦いは、生きた状態になると停止する。

4.3 戦いの目的

法則431 戦いの中心は、死活での生きる争いである。
法則432 部分戦では、形を崩すことを目的に戦う場合が多い。
法則433 2目で石を捨てる場合には、5目以下の損失が基本になる。
法則434 全局的な戦いでは、構想の自由度を得るために戦っている。

4.4戦いの手段

法則441 石が取れるかどうかの読みは、シチョウとゲタが基本になる。
法則442 手数を伸びさせない手段として、相手の石の包囲がある。
法則443 手数が伸びなくなると、生きなければならない。
法則444 切断されると、新たに生きなければならない条件が生まれる。
法則445 切断点が生まれると、切られてもOKの条件が必要になる。

4.5 戦いの効率

法則451 殺して取る方が、攻め合いで取るより効率がいい。
法則452 殺して取る場合は、完全に取れるまで制約条件が生まれる。
 

法則453 手数が伸びる空間が大きいほど、戦いは有利になる。
法則454 手数差が2手以上離れると、攻め合いに勝てない。
法則455 同じ条件なら、背中の空間の広い方が有利である。

4.6 「生きる」に関係する効率

法則461 生きる手が基本になるのは、石が取られない状態になるからである。
法則462 生きる制約条件があると、出切れない。
法則463 生きながら、地を増やす手は最善手である。
法則464 生きながら、相手の目を取る手もいい手である。
法則465 生きながら、相手の地を減らす手もいい手である。

4.6 攻める

法則461 攻めるには、捨てられない弱い石の存在が必要である。
法則462 攻める基本の手は、相手を簡単に生きさせない着手にある。
法則463 中手で眼を取る場所は、攻める急所の場所になる。
法則464 攻める目的は、地を囲うことにある。
法則465 攻める目的は、自分の石を強くすることにある。
法則466 攻める方法には、守りのような一定の形がない。
 

4.7 攻め合いの手数

法則471 攻め合いでは、手数が5手以上にまで伸びる石は狙えない。
法則472 切りの個所が近くに3つあると、手になる。
法則473 手数の伸びは プラス2からマイナス1まである。
法則474 手数の伸びが +2にならないと、手数は増えない。

【5】読みについて

5.1必然のヨミ

法則511 読みは石が取られないことを、前提条件にしている
法則512 読みは、生きる、切る、囲う、取るが基本になっている。
法則513 読みきれない場合は、地が損でも生きの確実な手を選ぶ。
法則514 2度の手抜きで死ぬ場合は、先手になる。
法則515 3度の手抜きで死ぬ場合でも、構想の中心になる。

5.2 確定条件

法則521 読みの確定は、生きの確定状態が基準になっている。
法則522 読みの確定は、読みのスピードと比例関係にある。
法則523 読みの能力は、死活の能力と比例関係にある。
 

【6】見合い

6.1発生と崩壊

法則611 見合いは、「交互に打つ」ことから生まれている。
法則612 見合いは、「石が動かせない」ことから生まれている。
法則613 見合いでの生きは、囲える地の可能性によって生まれている。
法則614 コウの発生や生きれる空間の減少によって、見合いが崩れる。

6.2一時確定と戦いの停止

法則621 見合いになると、一時的な確定状態になる。
法則622 見合いになると、一時的に戦いの停止がおこる 
法則623 見合いになると、一時的に一手の効率が上がる。 
法則624 見合いになると、読みを省略することができる。

【7】其の他

7.1打ちこみとタイミング

法則711 「打ち込み」には、生きられる条件が必要である。
法則712 「打ち込み」は、上下左右の4方向が空いた場所に打たれる。
法則713 「あたり」打つ時は、相手の形が「空き三角」「陣笠」など愚形になる場合は、打ってもよい。
法則714 切る、繋がせるなどの目的が2つある場合には、直ぐに打っていけない。
 

7.2厚み

法則721 厚みの価値は、打ち込みなどの影響範囲が広いほど大きい。
法則722 厚みが生まれると、効率としての制約条件が生まれている。
法則723 厚みにも、最終的に生きなければならない絶対条件がある。
法則724 厚みの価値は、地を囲わされることで低下する。

7.3手筋

法則731 手筋や石の形は、経験的な効率と必然性から生まれている。
法則732 手筋や石の形によって、読みの無駄な検証を抑制することができる。
法則733 手筋や形の学習は、その手順が生まれる理由から必然性がわかる

7.4死活

法則741 六目以上の確定地が生まれると、中手にはならない。
法則742 生きの確定度には 手数、眼が作れる、切断の有無がある。
法則743 すべての読みの基本は、石が生きる手から生まれている。

7.5ヨセ

法則751 後手寄せの並びの順番によって、最大で2目の差が生まれる。
法則752 先手寄せと後手寄せは、理論の本質が全く違っている。 
法則753 先手寄せと逆寄せは、同じ理論構造になっている。
 

【8】戦いのテクニック

8.1 相手の意図と局面の認識

法則811 相手の意図がよりわかった方が、有利になるゲームである。
法則812 相手の意図の理解は、反発によって検証できる。
法則813 未確定な構想段階で、自分の意図を、先に態度表明すると不利になる。
法則814 相手の意図を察知する手段として、「様子見」がある。

8.2 重要な知識

法則821 すべての石は、終局までには生きなければならない。
法則822 3子以上の石になると、なかなか捨てることはできない。
法則823 逃げる石を、強引に取ることはできない。
法則824 石が取られない練習は、石を取る練習によって学べる。
法則825 着手に必然性が生まれると、一手の価値効率は高くなる。
法則826 弱い石を生かしてしまうと、大損になる。
法則827 戦いは、切断点を狙っている。
法則828 戦いでの読みは、互いに生きる手が優先される。
法則829 ダメヅマリの手筋は、最終手で石が取られない読み筋で打たれている。
法則830 戦いが始まると、安定もしくは確定状態になるまで手抜きできない。