付録 理論資料として

18 碁の法則一覧 理論編

  1. 確定性について
  2. 空間の領域について
  3. 達成スピード
  4. 形勢判断
  5. 一手の価値
  6. 効率について
  7. 制約条件
  8. 先手について

ここでは、「定理」から「条件的な特性」まで、すべて同じ法則の名称で記述されています。ご了解の上ご覧ください。

【A】確定性について…
 手順進行での価値変化

A1 確定性への進行

【空間】

法則 111 手順進行によって 確定状態は自然に起こる。
法則 112 一手で囲える地の空間の大きさは減少していく。
法則 113 空点は、一旦勢力地を通過して確定地に変わる。
法則 114 確定の進行は、未決定⇒未確定⇒確定へと変化する。
法則 115 勝敗に影響する石数が増え、危険度が増大する。

【石の安定性】

法則 116 危険性が大きくなると、確定性も進行する。
法則 117 勝敗確定は、確定と未確定の領域差で決定される。
法則 118 生きた石数が多くなると、勝敗の確定性が増大する。

A2 確定のスピード

法則 121 地の囲い合いになると、確定のスピードが上昇する。
法則 122 石が取られると、確定のスピードが上昇する。
法則 123 戦いになると、確定のスピードが低下する。

A3 未確定への逆戻り

法則 131 石が取られると、未確定領域に戻ることがある。

法則 132 石が取られるのは、見合い条件とコウがある。

A4 一時的な確定(見合い)

法則 141 見合い条件が成立すると、目的が一時確定する。
法則 142 見合い条件の一時確定は、崩れる危険性が高い。
法則 143 見合いによって場面を限定的に見ることができる。

A5 確定の価値

法則 151 全てが確定領域になると、勝敗が確定する。
法則 152 確定しなければ、評価することができない。
法則 153 「確定性を高くする」一手の価値が存在している。
法則 154 手順が進行すると、確定性も高くなる。
法則 155 地が囲えなくなると、確定性も高くなる。

A6 確定の評価

法則 161 生きる確定度が上がるほど、石は取られにくくなる。
法則 162 地の確定度が上がるほど、地が減らされにくくなる。
法則 163 石が安定な状態は、まだ取られる危険がある。
法則 164 安定性の評価値は 手数、目形、切断の有無がある。

【B】空間の領域について …
 領域の区分、領域の特性

B1 領域区分について

法則 211 領域は、確定と未確定と未決定の領域にわかれる。
法則 212 石が生きると、確定領域になる。
法則 213 確定地とは、確定領域の独占空間のことである。
法則 214 空点の領域は、周囲の状況の特性から区分できる。

B2 領域の特性について

法則 221 戦いでは、急場、寄せ、ダメ場、未確定の領域がある。
法則 222 両方の未確定領域が重なると、急場領域になる。
法則 223 両方の確定領域が重なると、寄せ領域になる。
法則 224 片方のみが未確定領域の場合は、優先領域になる。

【C】達成スピード

C1 3つの基本法則

法則 311 石を取るより、逃げるスピードが速い。
法則 312 地を囲うより、邪魔をするスピードが速い。
法則 313 殺すより、生きる方が速い。

C2 石を取る

法則 314 達成スピードによって、邪魔する方が効率がよい。

法則 315 石を攻めることは、石を取ることではない。
法則 316 取れない石を取ろうとすると、反対に石が取られている。
法則 317 石が取られる原因は、逃げなかったミスが原因している。
法則 318 打ち込んだ石は、「生きられる条件」が必要である。

【D】形勢判断

D1 形勢判断の方法

法則 411 囲碁は、生き残りゲームとして成立している。
法則 412 形勢判断の基準は、地の囲い合いで判断できる。
法則 413 形勢判断は、盤上に置ける石数の面積で判定できる。
法則 414 形勢判断は、最終的には確定地の合計で行うことになる。

D2 形勢判断の価値

法則 421 形勢判断の結果によって、構想が選択変更される。
法則 422 形勢判断は、地が囲える可能性で判断できる。
法則 423 形勢判断は、次の争点ポイントの確定度も評価されている。
法則 424 形勢判断は、構想の自由度でも判断できる。

【E】一手の価値

E1 概論

法則511 局面で基準価値は、囲える地の最大値が基準になる。
法則512 先手寄せの価値は、地の最大値との相対価値である。
法則513 一手の価値には、場所的な効率の差がある。
法則514 一手の価値には、直接的価値と間接的価値の2つがある。
法則515 一手の価値には、地の可能性、安定性、確定性がある。
法則516 一手の価値には、石の発展性、安定性、安全性がある。
法則517 手抜きの価値は、地の可能性と生きる安全性の比較で判断される。

E2 価値の評価

法則 521 地の増減に影響する割合が、大きいほどその手の価値は大きい。
法則 522 2つの目的が同時に達成できると、一手の価値効率は高くなる。
法則 523 厚みの価値は、未確定領域への影響が広いほど価値が大きい。

E3 着手の評価

法則 531 着手に必然性が生まれると、一手の価値効率は高くなる。
法則 532 着手の正確な評価には、読み切りが必要である。
法則 533 読み切りには、活きの確定条件が必要になる。
法則 534 後手寄せ同士でしか、価値比較ができない。

【F】効率について

F1 評価

法則611 効率には、地の効率と生きる効率の2つがある。
法則612 地の効率は、地の囲える場所によって効率差が生まれる。
法則613 地の効率は、可能性としての空間の広さになる。
法則614 石の効率は、取られないという石の強さで評価されている。
法則615 石の効率は、着手の制約条件によって高められる。
法則616 石の効率は、変化する場面の適応力で評価される。
法則617 石の効率は、全局的な効率が、部分的な効率より優先される。

F2 評価基準

法則621 効率として評価は、相手からの反発の有無でわかる。
法則622 効率として評価は、理想図との比較でわかる。
法則623 効率として評価は、石の形と働きでわかる。

F3 配置による効率

法則631 石の配置効率は、弱い石の有無で評価される。
法則632 石の配置効率は、打ち込みの有無で評価される。
法則633 石の配置効率は、影響の範囲の大きさで評価される。
法則634 石の配置効率は、先手の有無で評価される。

【G】制約条件

G1 全局的な制約関係

法則 711 囲碁の最大特徴は、どこにでも打てる自由性である。
法則 712 着手制約には、自由性>効率性>可能性>必然性>確定性>存在性の包括関係がある。
法則 713 自由性は着手の効率性によって制約を受けている。
法則 714 効率性は、地になるかの可能性によって制約を受けている。
法則 715 可能性は、手順の必然性によって制約を受けている。
法則 716 必然性は、確定性によって制約を受けている。
法則 717 確定性は存在性によって制約を受けている。

G2 誕生

法則821 制約条件は、石が生きなければならない条件から生まれる。
法則822 制約条件が生まれると、必然性によって地が効率よく増える。
法則823 構想目的が決定すると、完了するまで制約条件が続く。
法則824 切断されると困る場合も、制約条件になる。

G3 解除

法則831 活きることによって、制約条件は解除される。
法則832 着手効率は、活きが完了するまでの手数の大きさで評価できる。
法則833 切断の可能性を消すと、制約条件を解除したことになる。
法則834 打ち込みの場所を守られると、制約条件を解除したことになる。

G4 部分的な制約条件(発生と解除)

法則841 目的が生まれと、制約条件も生まれる。
法則842 意思表示すると、相手への制約の条件を、与えることになる。
法則843 見合いになると、一時的な制約条件の解除になる。

G5 着手の必然性(読みの方向….流れ) 

法則851 地を囲うには、3つ以上の石がいる。
法則852 最大手であれば必然性がある。
法則853 相手が受ける手が、最大の価値である場合、最善手となる。
法則854 受けなければ負けが確定する場合には、必然性が生まれる。
法則855 タイミングによって必然性になる。
法則856 2手連続して打てると必然性が現れやすい。
法則857 必然性がないと読みきりができない。

【H】 先手について

H1 先手の条件

法則911 先手とは、得しない最大手を相手に与えることである。
法則912 先手としての必然性には、勝敗の確定条件が絶対条件になる。
法則913 先手の大きさは、手抜きした場合の損失で評価される。
法則914 先手の評価は、手抜きした場合の損失と可能性で決定される。

H2 打つタイミング

法則921 先手であっても、受ける手の方が効率のよい場合は先手ではない。
法則922 先手であっても、地の増減に関係のないダメ場は打たない。
法則923 構想としての可能性の選択が2つ以上ある場合には、打たない。
法則924 石の働きが確定している場合は、先手であればいつ打ってもよい。