第4章 …. 法則一覧

11 囲碁用語について

囲碁用語の中にも、多くの囲碁理論の特徴が含まれています。大場、急場という言葉にも、その言葉が生まれた原因があります。序盤、中盤、終盤、寄せという言葉にも勝敗に関わる情報が隠されています。寄せの意味を知ることで、地を囲う時期がわかり、また何故中盤なのかがわかります。勢力地と確定地の言葉の定義によって、その関連がわかります。
ここでは、その他に、囲碁ゲームとしての特性の言葉として、確実性、必然性、安全性などの言葉を合わせて簡単に定義し説明します。

【1】手順進行での場面変化

■ 序盤とは
およそ40手前後までの、大場の手止まりが打たれるまでの状態。
序盤の大部分は、布石として構想と隅での定石の戦いとなる。一度、戦いが起こると、戦い途中での戦略変更は難い。中央の空間が広いので、地になる可能性がまだまだ多い段階である。
■ 中盤とは
大寄せ前のおよそ160手までの戦いまでの状態のこと。
中盤の大部分は、全面的な戦いの場面となる。戦いの途中で2度程度、構想の分岐点がある。このとき全局的な石の効率による戦略の修正が行なわれるその時、同時に形勢判断も行なわれ、その結果で方針が決定される。
■ 終盤とは
およそ160手以後から終局まで状態のこと。
終盤に大寄せ、中寄せ、小寄で、ダメづめで終局になります。終局後、勝敗計算によって、一局の碁が終わります。
■ 布石とは
序盤20手以内での、今後の戦いの根幹になる石の勢力地図のこと。
勢力地を作りながら、形勢をリードする局面で、いまだ、石の接触した戦いや、打ち込みがない状態。星や辺にある黒白の配置によって「並行型」「たすき方」に分かれる。これらの石に配置によって、打ち込みなどの戦いが起こり易い場所が自然と生まれる。
■ 定石とは
布石などでの、序盤で戦いでの、よくできる形のこと。
定石は、布石の一部になるため、布石のパターンによって、よくできる定石ができる。そのため布石の流行によって古典定石、現代定石、新型定石が生まれる。第1手目の手によって、星の定石、小目定石、三三定石と区分されている。
■ 寄せとは
盤上の全て石の死活が確定し、攻めれる石がなくなった状態のこと
手順が進行し、盤上に弱い石がなくなって、価値として、確定地の増減のみ場所となった局面。寄せの場面になると、盤上の全ての石の活きが確定します。地を囲うだけの手になります。先手と後手が重要になります。

【2】 地の評価と厚み

■ 確定地とは
相手が打ち込んでも、活きれない空間のこと。
生きるには、目を2つ作れる広さが必要。空間が狭くなると、打ち込んで生きようとしても、生きれなくなった空間こと。
■ 勢力地とは
どちらかの確定地になる優位性が勝っている場所。
相手が打ち込めば生きれるが、あと数手で確定地になる前段階であり、攻められる空間になる。戦略として勢力を広げることがある。
■ 形勢判断
確定地と厚みのバランス比較によって、優位性を評価すること。 
確定地や勢力地の大きさで、勝敗の優劣を判断する。厚みや、先手、切断点、地が増える可能性、構想の自由性などのによっても判断できる。
■ 一手の効率
.一手当りでどれだけ確定地になるかの大きさ
一手の効率には、直接的な効率{地になる}と間接的な効率(厚み)の2つがあり、さらに直接的は、勢力地と確定地に分かれ、また相手の阻止行為も対象になる。効率としては、阻止行為の方が大きいといえます。
■ 厚みとは
相手の石を攻めることで、利が得ることのできる石の勢力。
中央の広い空間での戦いにおける優位性や安全性が得られる。厚みの強さは、生きるまでの目形と、石が取られるまでの手数によってきまる。
■ 戦略とは
盤全体の石の働きを高めるための全体構想のこと
部分的な手による優劣の差ではなく、全体構想として差の方を求める考え制約条件による必然性によって、全体的の効率差が生まれる。

【3】一手の価値

■ 一手の価値
一手打つことで生じる、地の増減に関する価値の大きさのこと。
最終的にすべては確定地の増減に集約されるが、その中間過程には、間接的な価値や直接的価値、全局区価値、部分的価値などの区別することができる。
■ 全局的価値
19路盤の碁盤全体で、変化する一手の価値評価のこと。
碁盤全体での価値は、中央部分においては反対側に出来た石の勢力関係によって評価される。また見合い条件によっても生まれる価値のこと。
■ 部分的価値
.部分的な範囲内で、変化する一手の価値評価のこと。
地のできる形や場所、石の連結強度などの状態によって価値は変化する。また生きるまでのスピード効率によってもその価値はかわる。
■ 直接的価値
寄せなどのように、地の増減が視覚的に見られる価値のこと
先手寄せ、後手寄せ、 手止まり、かかり、すべるなどの手
■ 間接的な価値
.制約条件や可能性の増減に関する価値
生きるスピードの価値、必然性を生み出す制約条件の価値などがある。守るや生きるなど、死活での.安定性や確定性、危険性に関する価値など。また具体的には、「相手の地を囲いの中に閉じ込める」、「出切りを防ぐ」などがある。
■ 評価関数
一手の価値を数量的に求めるための計算式のこと
一手の価値を計算式での数量化によって求め、その局面での「最大値=最善手」として求めることが可能になる考えた方から生まれた基本になる関係式。

【4】必然性と制約条件

■ 最大メンテナンス手
相手の手に対して、絶対に受けるが価値ゼロの手こと。
損失を防ぐ価値は最大であるが、プラスの価値がゼロの手。
■ 必然手
相手が必ず受けなければならない手のこと
相手に最大のメンテナンス価値の手を強制的に打たせる行為。相手の利益はゼロであるが、自分の利益のみ生まれる手。
■ 制約条件
.相手の着手目的が確定することで、達成条件が生まれてしまうこと
生きる、囲う、逃げる、繋ぐ、などの石が取られてはいけない条件が生まれた状態のこと。地を守ることでも制約条件は生まれる。
■ 制約条件の解除
生きることによって、制約条件が消滅すること。
着手目的が生きることで完了すると、制約条件はなくなる。

【5】囲碁での着手の定義

■ 攻める
相手への制約条件によって、自分の有利の目的を達成しようとする動作。
弱い石を逃がす、または生きを強制することによって、反対側の自分の弱点を補強したり、地を囲ったりすることで利益を得る動作。また相手に、価値のないダメ場を打たせて、自分は地になる手を打つ動作
■ 守る
相手からの制約制約を排除することによって、自由性を高める動作。
自分の弱い石を攻められないように守る動作
■ 先手
受けずに手抜きすると、形勢が逆転する結果となる利かしの手、または、受ける手が最善手と明らかにわかる、受けさせる利かしの手。
■ ようす
相手の構想を知る為に、どのようにな構想をたてるかを確認する手。
■ 利かす
相手に受けを強要させることで、自分の構想を達成する動作。
■ 捨て石
自分の石を相手に取らせることで、自分の目的を達成させる動作。
■ 消す
相手に地を、中央から囲い難くさせる動作。
■ 打ち込み
相手の地を減らすために、相手の勢力地内で生きる動作
■ 受ける
相手の構想目的を受け入れる同意の動作。
■ 反発
相手の構想目的を受け入れたくない動作。