囲碁理論の入門講座

新たな発見

すべての戦いの進行は、勝負の最大争点となる「勝負手を中心とした戦い」として始まり、その準備(道具)としての戦いが展開されていきます。そして最大規模の勝負手の戦いが終わると、その結果から「生まれた厚みと確定地」によって、新たな「小規模の戦い」や「ヨセの戦い」が始まることになります。ヨセの戦いでは、複数の関連した戦いがないことから、先手、後手を意識し、「地の増減」に強く影響する戦いが展開されてることになります。

【初期の最大争点】

  1. 初期の構想は、すべて「天元を中心とする隠れた戦い」を最大争点として始まります。
  2. 布石が展開されることで、複数の隅で、定石形の戦いが生まれます。
  3. 隅での部分的な戦いでは、定石終了による戦いの中断が起る。
  4. 3を原因として、複数の戦いが同時進行し、「絡み攻め」の戦いの危険性が生まれ、最大争点は、天元から移動します。
  5. 争点の予想変更が起ると、準備構想にも、変更が起ります。

【形勢判断】

  1. 形勢判断は戦いの一時停止や分岐が予想される場合に行われ、最大争点と勝負手への検討と準備が行われています。
  2. 形勢の判断方法は、「地の囲い合いでどちらが優勢であるのか」と「勝負手の有無と有効性」の2つから検討されます。

【勝負手の戦い】

  1. 形勢判断の結果、形勢が悪くなった側は、逆転決行のための勝負手への準備を強め、その時期を決定します。
  2. 勝負手の場所は、「石が取られる」「大きき地が減る」によって逆転可能な、地の増減大きく起る場所になります。
  3. 勝負手の場所は、2つ以上に死活領域が複合関連する戦いの場所になることが多きなります。
  4. 勝負手のタイミングは、80手過ぎの中盤から終盤にかけて打たれやす、その逆転規模はピークを超えると縮小します。
  5. 勝負手結果生まれる「厚みと確定地」によって、新たなの勝負手が生まれる、その準備作業がまた繰り返し再開されます。

【ヨセの戦い】

  1. 複数の関連した戦いが終り、戦いに領域が独立しものになるとヨセになります。
  2. ヨセでは、勝負手より規模の小さい争点が数多く生まれ、先手による利益を優先する戦いが展開されます。

結論

すべての知識や読みの能力は、勝負手といの戦いを中心に展開されています。このため、勝負にもっとも影響する「勝負手の認識力」の差が棋力となります。そして、この勝負手がどのようにして生まれるのか、また「その発見と対応の研究」が囲碁理論の研究になります。また、勝敗を決する原因の多くは、その準備作業における攻防での「着手ミス」、「悪手」にあることから、それら咎める能力もまた勝敗に大きく影響し、必要不可欠なものとして求められています。

このように、勝負手への「戦いの準備」と「勝負に勝ちきる」ためには、そのテクニック(知識)として「石を効率よく捨てる」、「相手に効率悪く地を囲わせる」能力が必要になりますが、これらのもっとも基礎的な能力は、「石を取る能力」、であり、その能力によって、棋力は正比例することになります。