囲碁理論の入門講座

碁の方程式 すすめ(4)

どうして本を読んでも強くなれないのか
 間違った「勝ちたい勉強意識」

命題1 「どこに打つと勝てるのか」 <…これが原因

【答え】 この考え方は、非常に悪い結果をあなたに与えます。なので、すぐに止めてください。理論を勉強すると、「なぜ強くならないのかという理由」が明確にわかります。

【解説】
 上達しない人の考え方は、

  1. どこに打つといい手になるのか
  2. どこに打つと勝てるのか

という意識で凝り固まっています。これは非常に効率の悪い間違った勉強方法なのです。結果もはっきりしています。どれだけ数多くの本を読んでも、全く身に付かず、

  1. 自己流の悪い癖になる。
  2. 上達における、最大の障害になる。

ことになります。つまり、本を読み、知識を得ようとする努力が実は、正反対な、悪い考え方に汚染される努力になっています、このことに気づいてください。

命題2 どのような手が打てると、強くなるのか...

【答え】この考え方こそが、上達できる唯一の考え方になります。

【解説】 囲碁での「いい手という評価」は、

  1. 自分から打て手で、いい手は存在しない。(互角のみ)
  2. 最善手は、自分から生まれるのではなく、相手の悪手の悪手から生まれている。

からです。

悪手が多い人が弱い人であり、
悪手を打たない人が強い人

命題3 級位者の学習目的は、何ですか。

【答え】「自分から悪手を打たない」ことを学んでいます。

【解説】
実は、これが大変なことなのです。そのためにはまず、

@ 悪手である理由を知る

ことが必須となり、このための基礎知識として

A 「悪手の形」と「悪手をとがめる知識」

が必要なのす。この知識によって

B 悪手になる原因(理由)」を勉強

するが可能になります、そして初めて

C 自分から悪手を打たない知識

を得ることができ、打たない練習ができるのです。

命題4 最善手の勉強が棋力を下げている。

【答え】「一手で勝てる」ような手ば存在しません。どの手がいい手であのという覚える勉強をすると、悪手を増やすことになります。

【解説】
「いい手を、単純に覚えると、悪手を打つことになります」。つまり、悪い癖を自分に植えつけていることになります。

「最善手を覚える勉強」は、すぐに止めてください。

命題5 相手の構想阻止が優先される、って本当ですか

【答え】本当です。囲碁は、相手の構想を阻止するゲームなのです。自分ひとりで、優位な構想は立てられません。

【解説】構想目的や目標には、

  1. 自分から目標を達成する考え方
  2. 相手の目標を阻止する考え方

がありますが、構想の優先は、(2.)が優先されます。

これも 囲碁理論から証明されています。

命題6 囲碁は、大場を争うゲームって本当ですか

【答え】 間違いです。大場を争うゲームではありません。大場に先行すれば必ず勝てるなら、ゲームになりません。

【解説】一手で目的が達成できないため、先手必勝にはなりません。先手必勝にするには、相手から邪魔させない手が、大場に打つ前に必要になります。

命題7 大場に打つ目的は、何ですか

【答え】厳密に言うと、勝ちやすくするためです。戦いを有利にする準備です。このため、大場に打てたからといって、戦いが有利になるわけではありません。

【解説】 地を囲う準備として、相手の勢力地を制約しながら、自分の勢力地を確保する構想が、大場に先行する構想です。

命題8 制約という考え方は、本当に重要ですか 

【答え】非常に重要です。目的の達成は一手ではできません。
【解説】
「制約する」という考え方は、すべての手の基本となる考え方になります。それは、初手から始まり、互いに自分の優勢を阻止し制約することで、自分の優勢を確保しようとしているのです。この動作で、最大争点が徐々に明確となります。これが、布石や、序盤での戦いにおける基本戦略になります。また、「攻める」という意識は、「制約」と必ずペアで実行してください。このペア実行で「攻守のバランス」の保たれた勢力地が確保できます。