囲碁理論の入門講座

碁の方程式 すすめ(2)

え…こんな囲碁の理論用語があるなんて、知りませんでした。

命題1 囲碁の戦では、一体何を争っているのか。

【答え】一手の価値の大きさです。

【解説】
 一手の価値の大きさはとは、

公式1  一手の価値 = 地の可能性 × 地の確定率

になります。

  1. 「地の可能性」とは、勢力地や地模様のことです。
  2. 「地の確定率」とは、先手、危険性、関連性、見合い条件などで、確定地になるために影響する確率のことです。

【補足知識】

  1. 一手の価値は、最終的には、確定地の価値になります。
  2. 確定地になるまでに、碁盤の場所は、
    未確定領域 → 勢力領域 → 確定領域
      というように、状態変化します。
  3. 全ての場所が、「確定領域」になると、戦いは終了します。
  4. 確定領域には、「確定地」「ダメ場」「生きた石」「死んだ石」などがあります。

1 囲碁は、こんなゲームだったの(信じられない)

囲碁はどのようなゲームでしょうか。この問題に真正面から答えた本は、今まで全くありませんでした。

碁というゲームは難しい、簡単、ルールは知っているけど、対局中は一体は何を争っているのか、このもっとも素朴な疑問を、誰で一度は思ったことがあると思います。

◆ 碁は打てるけれど、一手の価値の基本がわからない。

碁は打てても、碁の基本がわからない碁打が、ほとんどです。なぜなら、

  1. 囲碁の理論を教える、専門家がいない。
  2. 理論を知らなくても、勝てばいいだけと思っている。
  3. 自分はこれ以上強くなれないと思っている。

からです。さらに教える側の人も、

  1. 教えても、ほとんど強くなる効果がない。
  2. 碁は打てるが、教えることに関心がない。(生活の糧)
  3. 理論をいう自分が負けると、馬鹿にされる。
  4. 強い人に反論されると、答えられない。

これらのことから、囲碁の普及や上達を妨げる最大原因だったのですが、このことには、気づいていません。

それでは、なぜ時代が変わり、碁の本質が解明できたのか。その最大理由は、やはり、コンピューターの発達であり、パソコンでのロボット対局にあります。この結果、囲碁が始めて学問となり、科学となり、今までの気づかなかった間違いに気づけるようになったのです。

命題2 どのように打てば、大きな地を確保できるのか。

【答え】大きな地を囲うには、まず勢力地を確保し、確保した勢力地を確定地に変化させる必要があります。

【解説】
 確定地の公式は、

 公式2   確定地 = 勢力地 × 確定率

があります。このため、大きな地にするには、

  1. 勢力地をまず確保する。  (勢力地)
  2. 確定地に変化させる。   (確定率) 

ことが必要になります。

【補足知識】
勢力地から確定地への変更は、一手ではできません。効率よく確定地にするには、十分な準備と工夫が必要になります。基礎知識としては、「可能性」「確定性」「危険性」という囲碁の三大特性を知るのが基本であり必須の知識になります。簡単に説明すると、

◆ 囲碁の三大特性

  1. 可能性…勝つためのプラスとなる基本要件であり、その代表   
    的な知識が「地の可能性」になります。
  2. 確定性…最終価値を決定する特性であり、未確定な領域が、  
    確定領域になるもも、この特性があるためです。
  3. 危険性…石が取られるという、大きな損失になるというルールから生まれています。「可能性」と「確定性」を増減させるもので、非常に重要であり、先手や「地の確定率」に大きな影響を与えています。

2 形勢判断と何か、そして戦う目的とは

囲碁での形勢判断では、基本は非常に単純で、「どちらが大きな地を囲える」かによって判断しています。その理由は、

  1. 勢力地の確保がなければ、確定地は得られない。
  2. 勢力地が確保できても、確定地にならないと勝てない。

この結果、形勢が悪い場合には、

  1. 自分の勢力地が小さければ、相手の勢力地を減らす。
  2. 勢力地を減らすには、相手の石を取るしかない。
  3. 相手の石は、基本的は取れません。

このため、勢力地が小さく、攻めら石がないと、形勢が非常に悪い状態になり、「負けた」という勝敗の確定がおこり、逆転ができないゲームになります。このため戦いとは、「形勢が互角の時に、悪くならないように打つ」ゲームであることになります。