囲碁理論の入門講座

囲碁理論を学ぶ

入門とガイダンス（10）　ゲームの変遷と戦い

1　ゲームでの効率の本質と確定地の生成過程

理論として棋力にもっとも影響するのが、このゲームの本質に関する対局意識、9つの特性による対局意識である。

【他力本願と自力本願】……　石の流れと構想

  1. 序盤は他力本願、中盤以降は自力本願の効率である。
  2. 構想の優先は、自力より他力が優先される。
  3. 序盤は効率が、相手の手への対応によって生まれる状態であって、自分から作れるものではない。（他力本願）
  4. 中盤移行は、手順が進行し、必然の手が確定することで、地を囲う効率が生まれる、（自力本願）
  5. 場面には、自力の場所と他力の場所があり、その見極め（判断）が重要である。

【効率が生まれる】…一手の最善手はない。

  1. 一手で、利益確定する効率は、ほとんどない。利益の確定は、数手の石の関連と組み合わせによって生まれる。（ヨセになると、利益確定できる）
  2. 効率を得るには、一手ごとの検証と微調整が必要である。

【最善手と微調整】

  1. 最善手は、自力本願の状態でないと見つけることはできない。他力状態では、最善手になるように微調整する能力が、最善手の能力となる。
  2. 最善手の手は、一手で生まれないため、相手に手に対する意図を見抜く能力と相手の構想への微調整の行為が最善の読みになる。
  3. 最強の厳しい手は、相手に手抜きさせないことを目的に打つ手であって、最大利益（最善手）を得ようとする手段ではない、
  4. 部分的な利益を最大にする手を打つと、微調整ができないことで、損失（着手ミス）が生まれる。

【構想と修正】

  1. 構想で基本的な考え方は、相手の構想阻止することによって、自分の構想を実現することにある。
  2. 構想阻止は、「相手の動によって生まれる」ものであるため、相手の目的を知り、微調整が必要である。
  3. 自分の読み筋でない手を、もし相手打ってきた場合には、その意図と原因を明確にする必要がある。

【着手ミス】

  1. 石が取られることは、絶対に起こらない。このため、石が取られる原因は、着手ミス、構想ミスである。