囲碁理論の入門講座

囲碁理論を学ぶ

入門とガイダンス(4) 法則集

この理論によって見出された法則は、ゲームとしての法則と囲碁ルールの法則によって生まれています。このため、この法則を満たさない考えや効率は、ゲームの効率として存在しないといえます。

(1)囲碁の基本ルールは、

  1. 打った石は動かせない。
  2. 交互に打つ。2手連続して打てない。
  3. 碁盤は、19路盤であり、正方形である。
  4. 石が取られるルールがある。
  5. 終局では、すべて生きた石のみが盤上に存在する。

この5つになります。

(2)囲碁ルールから生まれる法則

A)目的達成スピードに差がある。

  1. 逃げる石は、絶対にとれない。
  2. 生きようとする石は、殺せない。
  3. 地を囲うとしても、邪魔されると囲えない。

B)生きる効率

  1. 生きた状態や、確定地の状態は、複数の石の関連する。
  2. 死活の戦いは、生きた状態になると終わる。
  3. 確定地は、相手が生きられない領域をいう。
  4. 一旦、生きた状態になると、絶対に取られることはない。
  5. 生きるためには、最低の領域が必要である。
  6. 生きる領域が足りない場合には、その周囲の石を取らないと生きられない。
  7. 生きるのに、三眼以上あると効率がわるい。

C)戦いの効率

  1. まね碁では、天元のみが争点になる。
  2. 戦いは、複数同時進行で展開している。
  3. 石が取られると、大きな状態変化が起こる。
  4. 先手や連続手が打てると有利なる。

D)ゲームとしての基本法則

  1. 黒番は有利であるため、コミが存在する。
  2. コミによって黒番が不利な状態になる。
  3. 着手価値は、手順の進行によって減少する。

D)着手ミス

  1. 着手ミスは、咎められて初めて悪手になる。
  2. 悪手にできないと、効率差は生まれない。
  3. 着手ミスであっても、一手で咎めることはできない。
  4. 石が取られるミスは、絡み攻めで起こっている。

E)構想

  1. 石の強さは、活きた石がもっとも強い。
  2. 取るより、殺す方が効率がいい。
  3. いつも「構想の微調整」が必要である。
  4. 戦いになると、構想変更が困難になる。

F)効率の法則

  1. 効率は相対的であり、相手と自分との利益差になる。
  2. 石を殺すには、空間を狭める。眼形を潰す優先順序がある。
  3. 隅や辺での、単独で起こる死活は、わかっている。
  4. 見合いになると、一時的に生きた状態になる。
  5. 「地を囲おうとする」「石を取ろうとする」と、相手に利き筋を与える。
  6. 形勢が不利になると、勝負手が必要になる。
  7. 形を崩される、石が重くなると戦いが不利になる。

(4)棋力の判断基準として

  1. 着手ミスが少なく、咎める能力が高い。
  2. 中央の戦いが強い。戦いになっても石が取られない。
  3. 捨石を使うのが上手い。
  4. 弱い石やカス石は、逃げずに捨てることを優先する。
  5. 地の獲得より、相手から利きの多さを重視する。
  6. ヨセにならないと、地を囲う手を打たない。

【結論として】

これらの法則や条件から、制約に関する重要な法則として

  • 法則1 囲碁における、着手効率は、制約によって生まれ、相手の着手ミスを咎めることによって効率差になる。
  • 法則2 制約には、「地の制約」「生きの制約」「構想の制約」「着手の制約」がある。

の2つを見つけることができます。

(1)相手の着手ミスを攻める場合には

  1. 絡み攻めで咎められると、どちらかの石が取られる。
  2. 一気に咎めることはできないが、徐々にゆっくり咎めることで有利な形勢になる。
  3. 通常の攻めは、重くする、形を崩す戦いになる。

ことになります。

(2)戦いの効率として

部分的な戦いは、互角であり、一手で最善手を探すのではなく、構想によって、徐々に形勢差が大きくります。勝敗にもっとも影響するのは、相手のミスを咎める力になります。