0-80 囲碁用語の定義w.doc
新・碁の方程式 まとめ

重要な用語と本の概要

この本では、多くの新しい言葉の定義がなされています。それらを誤解されないために、ゲーム理論として導かれた結論をここで簡単に述べておきます。このことで、囲碁用語の理解が容易になると考えるからです。

この本では、構想を重視し、戦略や戦術は構想実現のための道具として関連づけています。また、構想する力を構想力と名づけ、上達できる可能性の上限能力であるとし、碁の本質の理解度を示す基準でもあると位置づけています。

碁の本質の考察においては、価値と効率とを区分し、その作用と効果を分類し、また変化要因として、「手順進行との関係」、「石の強弱バランスとの関係」、「着手ミスとの関係」、「形勢不利な場合の勝負手」、「形勢を有利にする構想」「最終的に確定地となるまでのプロセス」、それらから効率差が生まれる要因を説明しています。これらの考察から、棋力と石を取る力が密接な関係にあることを可能性、危険性、確定性、という新たな価値を定義することで、説明しています。

勝敗と棋力の関係では、勝敗原因と棋力差の要因とを区別して考察するため、着手効率、着手価値、着手ミスの関係を明らかにし、「着手ミスと構想ミスとの内容の違い」から、その修正方法の違いを示し、この認識の違いが上達に大いに影響することを説明しています。さらに、これらの考察によって、対局意識と形勢判断の必要性、構想における変化への対応性、また勝負手、勝ちきるという重要項目における関連性まで言及し、囲碁における「制約する」という全局を通じた価値の存在を明らかにしています。これらの価値観はすべて囲碁のルールから生じているため、この本が普遍的な法則集でもあるとの意味から「原論編」という表題を採用しています。

【囲碁】

  1. 碁は、「地の効率を競うゲーム」である。
  2. 難解さの原因は、複数同時進行の戦いにある。
  3. 戦いの総合力とは、見合い原理の活用能力である。

【棋力】

  1. 構想力の差が、棋力差である。
  2. 棋力には、「現在棋力」と「将来棋力」がある。
  3. 構想で生じる形勢差は、最大で3目程度である。
  4. 相手の自由を制約できる能力が、棋力である。

【理論】

  1. 構想と戦略、戦術との違いを認識する。
  2. 価値と効率との概念の違いを認識する。
  3. 関連価値の効率が、形勢差の主な原因である。

【勝敗】

  1. アマの勝敗原因は、着手ミスである。
  2. 手順ミスの影響は、構想ミスよりはるかに大きい。
  3. 相手のミスは、咎められなければ、ミスにならない。
  4. 手順ミスは訓練によってゼロにすることができるが、構想ミスはゼロにできない。
  5. 攻める発想から生まれた構想ミスは、その損失をゼロ近くまで縮小することができる。
  6. 勝負手での主な狙いは、絡み攻めである。

【棋力アップと対局意識】

  1. すべての手は、「攻める」という基本意識で打たれる。
  2. 対局意識の違いが、「将来棋力」を決定する。
  3. 構想力アップには、基礎知識として価値と効率の知識が必須であり、対局で養われる。
  4. 検証力とは、この必然の流れの読みをいう。