囲碁の本質
第2章 攻めながら守る
図2-1
図2-2
図2-3
囲碁は、攻めないと勝てないため、
- 攻めながら守る。
- 守った後の攻めがある。
- 相手からの利き筋がない。
というのが基本になります。
◆ 攻めながら守る。
これらのことを4子局の参考棋譜で見てみます。図2-1では、白が13手下辺中央の割り打ちの手を打ってきました。黒はAの断点を守りたいのですが、単純に黒Aと守る手を打つと、白Bに打たれ、後手になります。このような場合の手順は、図2-2の黒1、白2、黒3で、守る手を打つことになります。これが、相手を動かして「攻めながら守る手」になります。
黒1に対して白2を手抜きすると、黒に2の2のAに打たれると、白は生きられなくなり取られます。このため白2の手は取られる損失を防ぐ手になり、この手で白が生きて強くなると黒3と断点を守る手も、必然性のある無駄のないいい手になります。
◆ 黒が守りの手を打つと、逆に相手から、攻めながら守られる。
ここを守らずに図2-3の黒1と下辺を守る手を打つと、白2と切りの手が先手になり、黒3と守り、白4となり、右辺の白が一気に強くなります。
◆ 相手からの、利き筋をなくす。
図 2-4 の黒1と守った場合には、白2に黒3と守る必要があり、その後白4、で下辺の白の形が良くなります。このため、このような相手からの利き筋のない守り形が優先されます。
図2-4
◆ 優先される手順
図2-5の4子局で白1と相手がかかってきた場合、黒の選択には、A、B、Cの3つがありますが、この場合にも、攻めながら守るという定型があります。
図2-5
その手順は、Bの黒2からの進行図になります。
図2-6
◆ 相手の手から、離れて受ける。
進行図で2-7白1と中央の白四子を守る手を打ってきました。下辺の白が強くなると、相対的に右下の黒が弱くなります。
図2-7
このような場合にも、攻めながら守るという手順が工夫されます。
図2-7
図2-8
下辺の白1に対して、黒2と左辺にもたれる手を先手で利かし、黒6と下辺をはねる手順になります。この時、白7の手はよくできる手筋の手であり、黒10まで進行します。このように、黒白ともに攻めながら守る手の攻防によって手順が進行しています。
◆ 絡み攻めを狙う。
図2-8は中盤の進行図ですが、この場面おいて、黒1の手が非常に厳しいいい手になります。
その手順によって、黒地が確定することになり、さらに下辺の白は、白10と受けても、黒13の手で黒は厚くなり、白は手抜きすると、まだ黒からは厳しく攻める手が残っています。
全局的にみても、黒には弱い石がどこにもなく、白の構想を制限しており、ここからの白の逆転は、かなり難しい状況になっています。