囲碁における基本概念は、「確定性」「可能性」「危険性」「必然性」「関連性」「不安定性」「連続性」「効率性」「自由性」の9つあり、それが5つの階層に分化して機能しています。
これら5つの階層は、
第一階層から第二階層の要素が生まれ、
第二階層から第三階層の要素が生まれ、
第三階層から第四階層の要素が生まれています。
そして、4つの階層とは異なった共通階層である構想や手順の自由選択によって、その階層ごとに効率の大きさに影響することになります。
第一要素が、確定性…… 生死や石の連結、確定地、など確定の関する基本要素。
第二要素が、可能性…… 地の可能性や、石の強弱に関する基本要素。
第三要素が、危険性…… 生死によって生じる勝敗確定への危険度。
第四要素が、必然性…… 危険回避(損失回避)による先手価値の発生
第五要素が、関連性…… 絡み攻め、もたれ攻め、攻めの見合いなどの同時性
第六要素が、不安定性… 部分的な戦いが一時停止する危険な状態
第七要素が、連続性…… 次のねらいから生じる連続した先手の発生
第八要素が、効率性…… 連続性によって生じるヨセでの確定効率価値
第九要素が、自由性…… 手の選択や手順によって着手効率が変わる自由度
囲碁は、地の大きさを競うゲームである。本来は非常に単純なゲームであるが、相手より大きな地を、効率よく囲うには、先手で地を囲うことが絶対条件になります。つまり先手の活用が棋力に大きく影響します。先手の多くは「石が取られる条件」ことによって生まれています。
法則1 後手同士間での効率差は生まれない。(大公のまね碁)
ただし、手止りの例外のみ、地を囲う効率差が生まれる。
法則2 無条件に石を取る手は存在しない。 (目的達成効率)
石を取るスピードより逃げるスピードがはやい。
法則3 失敗によって石が取られると、損失による効率差が生まれる。(負の効率)
法則4 先手は、手抜きすると石が取られるなどの条件によって生まれる。
(損失の回避と勝敗確定)
法則5 先手の発生率は、絡み攻めや見合い条件の有無によって変化する。
(見合い条件による効率)
法則6 確定度の大きさが、先手の価値や発生率に影響を与える。
(弱い石を作るな)
法則7 戦いが始まると、その部分の確定度が大きくなる。
(石音の逆に打て)
法則8 連続した先手が打てると、効率差が大きく変わる。(連続の有利性)
法則9 先手と「地の可能性」とが関連すると着手効率がよくなる。(可能性と関係性)
法則10 先手の優先度は、手抜きした場合の損失の大きさによって決定する。
定義1 確定度とは、石が取られない状態、地が減らない状態の大きさである。
定義2 無条件に打てる手は、すべて後手である。(先手には、条件が必要である)
定義3 先手の効率とは、有利な確定効率を得ることをいう。(先手の有利性)
後手とは、打たれた手に対して手抜きが成立する手のことですが、原則的にはすべての手は後手であるといえます。「大公のまね碁」からもわかるように、碁盤は上下左右対称であり同価値の手が多数あります。そのため後手の効率差というものは、基本的は存在しません。ただし例外的に、「見合いの手」、「勝負確定の手」、「手止まり手」「からみ攻めの手」「天元付近の争点」などと関連した手は、後手であっても効率差が生まれることあります。
着手効率は、先手からほとんど生まれています。先手とは、相手が必ず受ける手をいいますが、先手にも、得する手、存する手、損はしない手などがあります。