第1章 概論
越田の囲碁理論の基本は、ゲームルールより着手効率と着手価値を定義し、 |
その変化を解析しようとするものである。そのための研究として、 |
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を考察することで、囲碁での戦いの本質を明らかにしようとする理論である。
第2章 概論
A. | 空間領域の概念 | ||
空間領域の定義 | 空間領域は5つあり、領域を定義する。 |
初期領域 |
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1、未確定な領域とは、どちらでも無い未分化の領域。(石のない状態) | ||
中間領域 |
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2、勢力領域とは、 どちらかの確定地になる領域。 (死の予定領域) | ||
3、ダメ場領域とは、どちらかの確定地にならない領域。(生きの予定領域) | ||
確定領域 |
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4、生きの確定領域とは、完全に生きた石の領域。 | ||
5、死の確定領域とは、確定地になる領域。 | ||
(活きていない石が、盤上から取りあげられる領域も含まれる。) |
B. |
終局での勝敗判定と空間領域 |
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終局での盤上の状態は、2つの領域、生きの確定領域と死の確定領域になる。 | ||
勝敗の計算方法は、死の確定領域の大きさによって行われる。 |
死の確定領域には | ||
1、相手の石を取った領域 | ||
2、確定地になった領域 | ||
の2つがあるが、1の方が着手価値は大きい。 |
C. 空間領域の変化
空間領域の変化は、未確定な領域から中間領域を経て確定領域へ変化していく。
このような中間領域を通過して変化する理由は、
確定領域になるには、一手でならない。
阻止する効率が、囲う効率より効率がよいため。
見合い条件で効率でしか目的が達成できないからである。
からである。
第3章 着手価値の考え方
着手価値とは、死の確定領域(確定地)への変化量の大きさである。
確定地は、勢力地を経由してしか作ることはできななれないため、
未確定地の大きさ、勢力地の大きさ、確定地の大きさが基本となる。
基本式1 形勢値= 未確定領域×A確定率 + 勢力地×B確定率 + 確定地
基本式2 形勢差=黒の形勢値−白の形勢値
となる。
確定地や勢力地は領域確定すると計算できるが、確定率の大きさを決定する必要がある。
未確定領域から勢力地になる大きさは、黒白同じであるので、勝敗の確定度(地の囲い合いで勝てる可能性の大きさ)には関係するが、形勢差に関係しない。
基本式2 形勢値= 勢力地×B確定率 + 確定地
となる。
A 地の可能性
地の可能性という価値は、勝敗確定と構想の方針に大きく影響する未確定領域に関係した
数値である。
この数値は、勢力地
を優位にする生まれる理由がここにある。未確定領域は対局スタート時が最大であり、一手打たれるごとに小さくなる関数であり、この値がゼロになると、地の囲いでは、勝敗が確定した状態である。
その中間評価値としては、確定性、危険性、可能性の3つがある。
A 確定性とは、生きの確定領域(完全生きの状態)になるための手数である。 |
B 危険性とは、死の確定領域、(完全死の状態)になる手数である。(手抜きできる手数) |
C 可能性とは、地の可能性のことで、囲うことで増える確定地の大きさのことである |
この3つの変化によって形勢が変わる