越田理論 その1           平成2494

1章 概論

越田の囲碁理論の基本は、ゲームルールより着手効率と着手価値を定義し、
その変化を解析しようとするものである。そのための研究として、
1. ゲームの進行での盤上の変化。
2. 終局状態とはどのような状態のことなのか。
3. 勝敗における地の定義
4. 着手価値や着手効率の定義。

を考察することで、囲碁での戦いの本質を明らかにしようとする理論である。


2章 概論

A. 空間領域の概念
 空間領域の定義 空間領域は5あり、領域を定義する。


初期領域

1、未確定な領域とは、どちらでも無い未分化の領域。(石のない状態)
中間領域

 

2、勢力領域とは、 どちらかの確定地になる領域。 (死の予定領域)
3、ダメ場領域とは、どちらかの確定地にならない領域。(生きの予定領域)
確定領域

4、生きの確定領域とは完全に生きた石の領域。
5、死の確定領域とは確定地になる領域。
(活きていない石が、盤上から取りあげられる領域も含まれる。)


B.

終局での勝敗判定と空間領域

  終局での盤上の状態は、2つの領域、生きの確定領域と死の確定領域になる。
  勝敗の計算方法は、死の確定領域の大きさによって行われる。

死の確定領域には
1、相手の石を取った領域
2、確定地になった領域
2つがあるが、1の方が着手価値は大きい。

C. 空間領域の変化

空間領域の変化は、未確定な領域から中間領域を経て確定領域へ変化していく。

このような中間領域を通過して変化する理由は、

  1. 確定領域になるには、一手でならない。

  2. 阻止する効率が、囲う効率より効率がよいため。

  3. 見合い条件で効率でしか目的が達成できないからである。

  からである。



章 着手価値の考え方

着手価値とは、死の確定領域(確定地)への変化量の大きさである。

確定地は、勢力地を経由してしか作ることはできななれないため、

未確定地の大きさ、勢力地の大きさ、確定地の大きさが基本となる。


 基本式
1 形勢値= 未確定領域×A確定率 + 勢力地×B確定率 + 確定地

基本式2 形勢差=黒の形勢値−白の形勢値 

となる。

確定地や勢力地は領域確定すると計算できるが、確定率の大きさを決定する必要がある。

未確定領域から勢力地になる大きさは、黒白同じであるので、勝敗の確定度(地の囲い合いで勝てる可能性の大きさ)には関係するが、形勢差に関係しない。

基本式2 形勢値= 勢力地×B確定率 + 確定地

となる。


A 地の可能性

地の可能性という価値は、勝敗確定と構想の方針に大きく影響する未確定領域に関係した

数値である。

 この数値は、勢力地

を優位にする生まれる理由がここにある。未確定領域は対局スタート時が最大であり、一手打たれるごとに小さくなる関数であり、この値がゼロになると、地の囲いでは、勝敗が確定した状態である。

その中間評価値としては、確定性、危険性、可能性の3つがある。

  

A 確定性とは、生きの確定領域(完全生きの状態)になるための手数である。
B 危険性とは、死の確定領域、(完全死の状態)になる手数である。(手抜きできる手数)
C 可能性とは、地の可能性のことで、囲うことで増える確定地の大きさのことである

この3つの変化によって形勢が変わる