囲碁理論についてレポート

2012年8月21日

囲碁理論の基本となる考え方は、

  1. ゲームの進行での盤上に石が増えるという事象とは
  2. 終局状態とはどのような状態のことなのか
  3. 着手価値や着手効率の関係はどのように変化するのか

を考察することで、囲碁での戦いの本質を明らかにしようとする理論である。

1 終局での勝敗判定のルールの考え方

終局での盤上の状態は、生きの確定領域と死の確定領域のみで計算されている。

生きの確定領域とは、完全に生きた石の領域のこと。

死の確定領域とは、確定地になる領域のことである。活きていない石が、盤上から取りあげられる領域も含まれる。勝敗の計算方法は、死の確定領域の大きさ(確定地)によって行われている。

2 空間領域の定義

 空間領域には、

  1. 未確定な領域…どちらでも無い未分化の領域(石のない状態)
  2. 中間領域(勢力領域 と ftpダメ場領域
    勢力領域
    どちらかの確定地になる領域(死の予定領域)
    ダメ場領域
    どちらかの確定地にならない領域(生きの予定領域)
  3. 確定領域(生きの確定領域死の確定領域

 の5つ領域が存在する。

3 空間領域の変化

空間領域の変化は、未確定な領域から、中間領域、そして確定領域に変化していく。

4 価値の変化の考え方

  1. 一手の価値は、死の確定領域への変化値の大きさである。 
  2. 一手の価値は、スターと時点が最大であり、徐々に減少しゼロになって終わる。
  3. 石が取られる危険性の増減は、
    死の確定領域への変化によって、危険性が増加する。
    生きの確定領域への変化によって、危険性が減少する。
  4. 先手は、死の確定領域への危険回避(石が取られないように逃げる)行為によって生まれている。
  5. 先手は、死の確定領域の増加効率と関係しているため、先手が多いほど形勢は有利になる。

5 結論(効果)

死の確定領域という概念の発見によって、攻める、守る、石を取る、地を囲う、生きる、眼を作るという個別価値が生まれている。つまり、戦いの実態は「死の確定効率」という価値の増加と効率性の追求であることがわかる。そして、生きる価値は、殺す価値の反対概念でしかなく、学習の中心は、殺すパターンの習得にあることが証明された。