ボード対局場の指導碁は上達への必須条件

1.構想目標の変化

構想の効率としては、「石を逃げる構想」と「石を捨てる構想」や「場面の確定を早める構想」と「場面の確定を遅らせる構想」というように、たえず正反対の構想目標が生まれます。

このような構想目標が生まれるのは、石の配置状況と形勢によって、構想目的が影響を受けるためです。

2.構想目標が変化する理由

このような目標の変化が生まれる明確な理論があります。ただし、理論として変化が生まれる理由がわかったからといって、実戦において構想として部分的な考え方としては正解であると断定できても、「この手が最善手である」と全局的な視点から断定することは非常に困難です。

そのような最大原因は、「読みきり」が可能かどうかという問題が大きな壁になっています。

3.正しい構想を見つけるには

理論にもとずいて正しい着手を決定するには

  1. 完全に読みきるという能力
  2. 地合として、形勢を正しく計算できる能力

が絶対条件として必要となり、それには人間の能力を超えた相当な検証時間が必要になります。そのため、限定された時間内で次の手を打たなければならない対局において、正しい答えを見つけることは非常に困難になるのです。

つまり部分的な局面であればその可能性が生まれるのですが、それも達成目的が「逃げる」「取る」といった確定れたものであるという条件が必要になるのです。

つまり、全局的な是非になると思考時間の不足と思考能力の不足」から現実的には「不可能」なゲームになっています。

4.完全に読みきる能力を高めるには

完全な「読み切り能力」を高めるには、数多くの問題を解くことだけでは十分ではありません。練習問題を解く目的は、部分的基礎能力を身につけることであって、実戦で応用できるような「全局的に読み」の能力を身につけることではありません。

これには「激しい攻めあい」をJISのボード対局場の教室での指導対局を経験することで「石が絶対に取られない戦いの読み筋」という法則を実感し、それが正解であることに気づくことが、上達への第一ステップになるのです。

このことで、第二ステップとしての「構想における石の存在性」という基礎概念を理解することができるようになります。この経験によって「構想力」と「正しい読み」の能力をペアで同時に高めていくことができるのです。